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大正ロマン華やぐ100年前、
「浪漫奇譚(ろまんきたん)」という劇団があった。

少人数ながら粒揃いの役者と、風変わりな座付き作家、
何より、花のように美しい看板女優が人々を魅了し続け
当時は飛ぶ鳥を落とす勢いの人気だったそうだ。


しかし、人気絶頂の中、看板女優は流行病で命を落とす。

残された劇団員は失意の中公演を続けていたが、
ある日、とある事故により劇団員全員が亡くなり
「浪漫奇譚」は消滅してしまう。

彼らが遺した数々の名作と悲運な最期を遂げた話題性で
現世においてもなお伝説の劇団として名前が残っている。


時は流れ、2024年。

「浪漫奇譚」の理念を受け継いだ「劇団ロマンティックノース」は、
第Q藝術の劇場主「松鶴 睦」より公演依頼を受ける。

「彼らの没後100年の追悼公演を行いたい」
「追悼公演で、彼らの最期の作品である『ソノ乙女、薄命ニツキ』を上演してほしい」

追悼公演を観に第Q藝術に集まった観客たちが祈りを捧げると、そこには・・・。

これは、出逢うはずのなかった人々と、
時を超え出逢い『言葉を探す物語』ー。